『とりあえず偏差値の高いところ』に向けて、勉強を頑張れない理由
こんにちは。
テラコヤイッキュー渡邉です。
今日のテーマは、「とりあえず良い学校」を目標にすることについて。
あとは、テラコヤイッキューを卒塾した生徒のその後の話。
高校入学後メキメキ伸び続けている元生徒の話
先週、春に卒塾した生徒から久しぶりに連絡がきました。
その子は中学の間うちで一緒に勉強をして、第一志望の高校に合格し、同時に卒塾した生徒です。
とっても勉強が苦手だったこの子。
受験直前まで毎日一緒に勉強を頑張りました。
どうしてもこの高校に行きたい!ここでこんな勉強がしたい!!
将来の夢に向けて、やりたいこと、目標を設定し、少しずつ頑張り続けて、第一志望の高校に入学。
今回はそんな彼女から、『がんばってます!』の連絡をもらいました。
- 入学後も自分のちからで勉強を頑張っているということ
- 成績も中学のころと比べてアップしているということ
- 生徒会に選出されたということ
- 得意な絵で、学校に貢献できているということ
- 言語聴覚士という将来の夢に向けて、大学合格というマイルストーンを置き、そこに向けて準備をしていること
- 更に、夢のために手話の勉強もしているということ…
いやーーー、うれしいですね!!!!
自分にとって価値のある目標を自分で決めて、
自分でできることを考えて、
苦手なことでも日々コツコツ取り組んでいる…
まさに、『自走』している姿をこうして見せてくれることが、私はとてもうれしいんです。
一緒に過ごした2年間、もちろん勉強も一緒に頑張りました。
でもそれ以上に、
面談で一緒に振り返りをしたり、
「できなかった」を「できる」に変えるために
目標への価値付けを行ったり、気持ちの切り替え方について話し合ったり…
そんな時間を多くとってきました。
『勉強』だけではなく、目標設定の力、そこに向けた行動設計、そして何よりモチベーティングの力…そういった力を付けられるように指導、伴走してきました。
『自走の力』を身に付け、それを一人になった今、発揮できているということ。
私と一緒じゃなくても、自分で人生を切り拓いていっていること…
これが本当にうれしいんです。
自走式学習のゴールだなぁと、思います。
受け身の勉強だけさせていたら、こうはならなかったんじゃないかなと。
「先生に報告すると、また頑張らないと!いい報告ができたらいいなーみたいに、自分にやる気が出るんです」っていうのも、とってもうれしい。
卒塾して完全に手を放しても、「見ててね」って。迷わず前進するための一つの道具として使ってくれるのが、とってもうれしいです。
「とりあえずいい学校」を目標に設定すると勉強できない
小中学生と話をしていると、
まだまだ『とりあえず偏差値の高い高校に行きたい』『とりあえず世間的に良い大学に行きたい』こんな子はいます。
自分がそう思っているから、というよりはおそらく、
周りの大人から、「とりあえず良い大学に行けば選択肢が増える」みたいなことを言われて育ってきたのかな、と思います。
確かに、偏差値の高い高校・大学、いわゆる「良い学校」に入れば、
その先の人生、楽になるかもしれません。
学歴フィルターも、たしかにあるかもしれません。
でも、考えてみてください。
『とりあえず偏差値の高い高校』
『とりあえずいい大学』
これって、勉強のモチベーションになりますか?
モチベーションとは動機、『勉強する理由』です。
【とりあえず】が、勉強する、強い理由になりますか???
ならなくないですか???
少なくとも、私は、自分は、こんな理由では頑張れない。
学力はそこそこあっても「勉強すること」に対してネガティブな思いを持っている子どもたちなら尚更です。
親にとっては「とりあえずいい大学」に入ってもらえたら、安心できるかもしれません。
でも、それは子どもにとって価値のある目標なんでしょうか?
価値を感じられない、「とりあえずの目標」に向かって努力することは、当の本人にとっては苦痛でしかありません。
「とりあえず」の目標はその子にとっての『第一志望』にはならず、
せっかく合格できてもそこで燃え尽きてしまう…そうなってしまうのではないでしょうか。
そして、「とりあえず」の目標は『一生懸命頑張る』価値が感じられないもの。
高校受験・大学受験という、貴重なPDCAサイクルを回す練習をする機会を受け身で過ごしてしまうことで、
『自分でサイクルを回したことがない』まま、進学してしまいます。
やったことがないことは、すぐにはできるようにならない。
高校生になっても自分で勉強出来ない子、増えています。
大学生でも、いるみたいです。
これでいいんでしょうか?
人間は環境の産物。
子どもにとって一番の「環境」は、『親』。
お父さんお母さんの言葉が、お子さんを作っていきます。
「とりあえずいい学校」を目標にしないために
「とりあえずいい学校」を目標にしないために、どうすれば良いか。
まずは、子どもたちに高校に行ってできること、大学に行ってできること、将来できること、いろんなことをイメージしてもらいたいです。
学校では、課外活動含め、いろんなことに触れられます。
調べ学習やレポート課題は多いですし、プログラミングの授業もあり、私たちの学生時代と比べても
本当に多くの情報に触れられるようになっています。
子どもたちは、初めて触れることから色んな刺激を受けます。
おもしろい!
楽しい!
やってみたい!
この気持ちが、「目標」に価値を付けていきます。
ただの「◯◯高校」から、「△△をするための◯◯高校」になっていきます。
この小さなきっかけを大事に、育てていってもらいたいです。
お母さんお父さん、子どもたちの純粋な「やってみたい!」を、認めてあげられていますか?
『そんなの、なれるわけないよ』(もっと堅実な道を進んでほしい)
『この仕事は将来、なくなるかもしれないよ』(将来性のある職業についてほしい)
こんな言葉を子どもにかけていませんか?
冒頭で紹介した生徒は、『手話を学んで障害のある子たちの役に立ちたい』とずっと言っていました。
中3になってお母さんとお話しした際、お母さんはこんなことを言っていました。
「福祉科だと将来の道が限られてしまう。大学進学ができる普通科高校の方がいいんじゃないかと思う」
でも、この生徒は自分でお母さんにいかに福祉の道に進みたいか、自分が志望している高校でどんな資格が取れ、それがどれくらい卒業後プラスになるのかを調べ、プレゼンし、お母さんを説得したんです。
そして、自分の第一志望を「親子の第一志望」にして受験に臨みました。
ここじゃないと!という気持ちが大きかったから、どれだけ模試の結果が悪くても、最後まで諦めずに勉強できました。
そして、今も、冒頭のように自分の将来を見据え、逆算し、必要な行動を積み重ねていっています。
自走しているんです。
自分の「こうなりたい」を大事にしているからこそ、目標設定ができ、行動設計ができ、自分で自分を励ましながら行動できるようになります。
あのとき、お母さんの「将来困らないように普通科に行かせたい」を通していたら…
今のような未来はあったでしょうか。
子どもの突拍子もない目標に「もっと堅実な道があるのに」と思ったり、
「もっと将来性のある職業についた方が楽なのに」と思ったりすること自体は、悪いことではありません。
でもやっぱり、親の手を放れて、自分がこうなりたいと思った方向へ進んで行っている子の方が
伸び伸びと、楽しそうに勉強しています。
そんな子たちは、仮に進んだ道の先が本当に「将来性のない」ものだったとしても
自分で新たに目標設定し、自分の力で道を切り拓いていくんではないかな、と思います。
大人の敷いたレールの上を走るだけでは、なかなかそういった力は身に付きませんよね。
どれだけ心配しても、将来は誰にもわかりません。
でも、人間には誰しも、起こることをプラスに転換していける力があると信じています。
お子さんを心配する気持ちをそっと脇において、
「きっと、何があっても大丈夫」と大きな気持ちで見守ることで
お子さんはなりたいものを見つけ、『本当に行きたい学校』『本当の第一志望』を見つけ、進んでいけるんだと思います。
ついさっき、今年大学受験に合格した生徒のお母さんからLINEが来てました。
「夢がはっきりしていることは素晴らしいこと、と、先生が励まし続けていただいたことは、●●にも私にも大きかったです。本当に感謝しております✨」
偏差値とか、ランキングとか、全く関係なく
その子にとっての『第一志望』を応援する。
だから、うちの卒業生たちは卒業後も、自分の力でもっと先の未来に向けて走っていける。
難しいですよね、、
でも、きっとできますよ。
お母さんお父さんには、たくさんの愛情がありますから。
できないことなんてないです。
心配になったら、いつでも私のところに相談に来てください。
大丈夫ですよと、背中を押してあげられたら、うれしいです。