子どものやる気は親からの信頼で作られる|信頼の「本質」
こんにちは。
テラコヤイッキューのわたなべです。
保護者の方向けに、
お子さんが自分で勉強するようになる、自走するようになるための
関わり方やマインドといった情報を発信しています。
私からは日々、
子どもの自走には、周りの大人からの
『信頼』『承認』『尊重』が大切だ。
とお伝えしています。
この3つの要素の中で、
一番の土台になるものが『信頼』です。
信頼は承認・尊重のベースとなるマインド
いつも、信頼・承認・尊重の関わりを。とお伝えしていますが、
「信頼」がなくてはお子さんを承認したり、尊重したりはできません。
なぜでしょうか。
まずは信頼・承認・尊重のおさらいからいきましょう。
『信頼』とは、お子さんのことを「何があってもきっと大丈夫」と信じて関わる、ということです。
『承認』とは、ありのままのお子さんを否定も肯定もせずにそのまま受け入れる、ということ。
『尊重』とは、お子さんをひとりの人間として、お子さんの選択や決定を尊重する、ということです。
承認や尊重は、お子さんの実際の行動や存在に対しての、私たちの反応の中に含まれます。
子どもが勉強をしている→「勉強しているね」と認める。
子どもが今日は勉強しないと言っている→「自分で決めていいんだよ」と尊重する。
こんな感じ。
この「承認」と「尊重」は、信頼する気持ちのうえに成り立っています。
例えば、
子どもがテストで赤点をとってきた。
このとき
「今回は赤点だったんだね」と、今のその子を肯定も否定もせずに認めたり
今日は宿題よりゲームを先にやる!と子どもが宣言してきた。
このとき
「自分で選んだらいいんだよ」と、尊重する。
こういったことが皆さんは自然にできますか?
『赤点?!なんでこんなに悪いの?!(怒り)』
『あんだけ勉強してなかったらそりゃ赤点になるわ(呆れ)』
『何言ってるの!先に宿題やりなさい!(強制)』
『そんなんだからいつまでたっても成績が上がらないんでしょ!(決めつけや否定)』
こんな風に言ってしまっていないでしょうか。
また、子どもを認めたり尊重する声かけをしながらも心の中では
『なんとか勉強させたい』『赤点をとるなんて将来が心配』『ゲームをやめさせたい』『どうにかコントロールできないか…』と思いながら、
上辺だけの承認・尊重になっていないでしょうか。
なぜ、上辺の承認、上辺の尊重になってしまうのか。
それは、信頼の土台が脆くなっているからです。
テストの点数が悪くても、その子をそのまま認める。
『承認』は、
『今のテストの点数が悪くても、きっと自分で気がついて勉強するようになる』
『テストで失敗しても、この失敗が今後の人生の糧になる』
信頼のマインドを土台としています。
ゲームを先にやりたいという子どもをそのまま尊重する。
『尊重』も、
『この子には自分で考えて動く力がある。だから任せても大丈夫』
信頼のマインドが土台になっています。
この、「きっと大丈夫」と心から信じられているかどうかで、
お子さんに承認や尊重がまっすぐ伝わっていくかが決まってきます。
お子さんを見て、
「勉強していなくて不安。」
「このままだと将来が心配。」
こんな気持ちになっている方はいませんか?
この状態は『信頼』できていない状態。
この状態では、知識として「承認」や「尊重」が大事とわかっていても
その知識を活用することができません。
「このままでは心配」という気持ちと
「承認・尊重しなくては」という気持ちの板挟みになり
いつまでたっても自走に向けた関わりにシフトしていくことができません。
承認や尊重は「きっと大丈夫」というマインドの上に乗ってくるものなのです。
大人が自分自身を信頼できないままでは子どもを信頼できない
それでは、なぜ私たち大人は子どものことを信頼できないのでしょうか。
答えは簡単で、
自分のことを信頼できていないから。です。
もっと大きく言うと、自分の人生を信頼できていないから。
聖書の、ルカの福音書にこんな一節があります。
自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい
ルカによる福音書第10章27節
有名な「あなたの隣人を愛しなさい」という言葉には『自分を愛するように』の前置きがあるんですね。
自分を愛せない人には、他人を愛することはできない。
自分を信頼できない人には他人を信頼することはできないし、
承認や尊重も、同じなんです。
皆さんは「自分自身を信頼する」ことができていますか?
お子さんを信頼することができない人、いますよね。
「全く勉強しない子どもを見ていると心配で不安で、信頼なんてできない」
こんな風に思われる方がいらっしゃいますよね。
でも、『信頼できない』原因は子どもにあるんじゃないんです。
自分を信じられないから、他人を信じることができない。
原因は『自分を信じられない』ことにあるんです。
「信頼」「信じる」の本質
信じる、信頼するって、どういうことなんでしょうか?
「信頼」を語るうえで、自走式学習における「信頼」の定義を明確にしておく必要があります。
私の考える信頼とは
この先、どんなことが起こっても、絶対に自分の力でプラスに変えていくことができる。
だから何が起こっても大丈夫。
ということ。
これが信頼です。
子どもが、今TVに夢中になっている。
来年は受験。
勉強しなくて大丈夫なのか?
勉強しなさいと言うべきではないのか?
心配や不安が湧いてくる。
そんなとき
「きっとこれでも受験に合格するだろう」
と都合よく解釈する「信じる」ではなく
このままだと、来年の受験は失敗してしまうかもしれない。
でも、きっとこの子にはその失敗をプラスに変えていけるだろう。
こんな風に考えられますか?
その子の「マイナスをプラスに変える力」「人生を切り拓く力」「自走する力」を信じるということです。
受験は失敗するかもしれないけど
その失敗も含めて、自分の人生の糧にできる。この子にはその力がある。
だから、大丈夫。
そう信じられるから
勉強していない今のその子に『承認』や『尊重』のマインドで関わることができるんです。
これが「信じる」「信頼」の本質です。
さて、先程の話に戻ります。
皆さんは自分自身を信頼できているでしょうか?
自分を信頼するとは
この先、どんなことが起こっても、絶対に自分の力でプラスに変えていくことができる。
だから何が起こっても大丈夫。
これを自分に対して適用できていないと、他者に対して同じように適用することはできません。
皆さんは自分自身を信頼できていますか?
自分に、マイナスをプラスに変える力があるということを
自分に人生を切り拓く力があるということを
自分に、自走の力があるということを
信じられているでしょうか?
人生って、何が起こるかわかりません。
どれだけ緻密に人生設計をしても
ふいにやってくるアクシデント、事故や病気からは逃れられません。
アクシデントひとつで、緻密に計算・計画された人生は
はかなく崩れ去ります。
自分の人生を最初から決めてかかることはできない。
では、人生はみんなお先真っ暗なのか?
何が起こるかわからない、事故や病気、アクシデントに怯えながら生きるしかないのか?
そうではありません。
不意にアクシデントに見舞われても
計画立てていたことが崩れてしまう事態に陥っても
そんな状況を
プラスに捉え
この先の人生の糧にしていく
そんな力が自分にはある!
自分たちにはある!
何が起こっても、大丈夫。
最終的には、全部良くなる。
ということですね。
自分を信頼するとは、自分に起こることすべてをプラスにできると信じるということです。
自分を信じるために必要なこと「意味付けを行うこと」
人生、何が起こるかわからないし
起こることは自分でコントロールすることはできない。
ネガティブなことだって、たくさん起こります。
そんな中、自分でコントロールできることって、
起こることに意味づけをしていくことだけです。
私はイヤなことやつらいことが起きたとき、
必ず「この出来事にはきっと意味がある」と考えるようにしています。
なにかのプラスに必ず繋がっていく。と。
今起きていることは、将来どんなプラスになっていくんだろう?
こんな風に考えています。
皆さんが『自分を信じることができない』のは
ネガティブな経験をポジティブに変えてきた経験がないからではないでしょうか?
経験がない、というか、体験しているはずなのに自身の経験として落とし込めていない
すなわち、そのように意味付けができていない のではないでしょうか?
皆さん、過去のことを思い返してみてください。
ネガティブな出来事、それがあるから今があるよね、って思えたりしませんか?
あのとき失敗してすごく恥ずかしかったけど、あれがあるから今があるね、って思えることがありませんか?
私は大学受験で、自分が行きたかった学部にいけませんでした。
そのあとずっとそれを引きずっていました。
結局大学も途中でやめてしまいました。
でも、今すごく幸せです。
あのとき神戸大学に入学して、いろんな人に出会って、大学をやめてなければ
今皆さんと会っていないと思うんです。
以前ガンになったときも、
めーーーーーちゃくちゃショックで消えてしまいたい気持ちになりました。
でも、ガンになったからこそ自分の塾を始めようと思ったし、
自分の想いを遺したいと、今こうして皆さんに発信ができていて
受け取ってくださる方がいて、
とっても幸せです。
人生って、絶対にプラスに転じていく。
私はそう思っているんです。
今、プラスに意味付けできないことも未来の自分が意味付けしてくれる
確かに、ネガティブな出来事が起きている最中に、
「きっとプラスにできる」と信じるのは難しかったりもします。
でも、ときが経って振り返ったときに
「あのときの出来事は、自分にとってこういうプラスに繋がっていったんだな」って
プラスに意味付けすることってできるんです。
今しんどいけど、絶対にこの先プラスに意味づけできるときが来る。
それを、信じてもらいたいと思います。
私は先日ガンが再発してますと言われてしまって
来月手術の予定なのですが、
やっぱりショックなことって生きてるとあるんですよね。
今も若干いやだなって思ってたりもします。
でも、きっと、
何ヶ月か後の私や、何年か後の私は
今の自分の状況に感謝していると思います。
その自分を信じられているから、
これからまた治療が始まるんだなってネガティブになったりもするけど
「大丈夫でしょ」って思える。
病気が絶対に治るでしょ、大丈夫。っていう「大丈夫」じゃなくて、
病気が治る治らないに関わらず、
絶対に今の状態を自分なりにプラスに捉えることができる、今の状態に感謝できる。そんなときがくる。
って思えているから、
大丈夫。
って思えるんです。
もしかしたらみなさんも、今のお子さんの状況や、自分の状況に
辛かったり、不安だったり
苦しんでいたりするかもしれません。
でもきっと、
未来の自分が、今の皆さんの不安だったり辛かったり苦しい状況をプラスに意味付けしてくれます。
そんな自分を信じていきましょう。
それが信頼です。
それができると、今のお子さんのことも、きっと大丈夫って心から信頼ができ
心からの承認・尊重ができるようになっていくのではないかな、と思います。
簡単じゃないかも。
でも、きっと難しくはない。
一緒に自分自身を信頼していきましょうね。