自ら動く意欲がない子どもが不安なとき。親ができること

こんにちは。

テラコヤイッキューの渡邉です。

今日は、Instagramでいただいた相談にお返事します!

目次

自ら動く意欲がない子どもを見ていて不安なお母さん

こんな質問をいただきました。

本人の勉強をする目的が明確でないためか、自ら動くという意欲がなく、見ていてとても不安です。

勉強する意欲のないお子さん、見ていて不安ですよね。

お母さんの不安が少しでも解消できるように

・不安になってしまう理由

・対処法

についてお伝えしていきます。

子どもを見ていて不安になる理由|相手との境界線があいまい

子どもを見ていて不安になる理由は、相手との境界線があいまいになってしまっているからです。

前回のブログでも書きました。

勉強しない子どもにイライラしたり、不安になるのは自分と子どもの境界線があいまいなことが原因。

自分ならこうするのに、そうしない相手が理解できない。
自分と同じ後悔を子どもにしてほしくない。
勉強しない子どものせいで悪い親と思われたくない。
この3つは、すべて『自分と子どもの境界線があいまい』なことが根本の原因です。
自分が解決できるのは自分の問題だけです。
他人の問題を解決することはできません。
子どもの勉強を代わりにしてあげることはできないし、そうしても根本的な解決にはなりませんよね。
そして、子どもを無理矢理勉強させても意味はありません。
結局、自分の思い通りに他人を動かすことはできないんです。
ここをまず、理解する必要があります。

前回のブログでは、お母さん自身が解決できることにフォーカスしてお話しをしましたが、

今回はお子さんに勉強をどう自分ごとにしてもらうか?という視点でもお話しします。

対処法①|自分の不安を解消できるのは自分だけ。

まず、対処法の1つめ

これは前回もお伝えした、「自分と他人の問題を分けて考える」ということです。

問題の主語を明確にする

まず、問題の主語が誰なのか?を考えてみてください。
子どもが勉強しなくて、イライラする!
この問題には、2つの問題が隠れています。
子どもが勉強しないんです!という問題と、
私がイライラしてしまうんです!という問題ですね。
勉強しないのは誰?→主語は子ども

イライラするのは誰?→主語は自分

勉強しない問題を解決できるのは、子ども。
イライラするという問題を解決できるのは、自分。なんです。
イライラするという自分の問題を、子どもに解決してもらおうとしてはいけないんです。いけない、というか、不可能なんです。
自分の問題を他人に解決してもらおうとすればするほど、
イライラは増し、しんどく、つらくなっていきます。
相手の問題を自分が解決しようとすればするほど、
イライラは増し、しんどく、つらくなっていきます。
主語を明確にして、自分が主語の問題だけを解決するように努めると、
子どもが勉強していてもしていなくても、イライラする必要はなくなるんです。

お母さん自身が解決できるのは、

「不安になっている自分を、自分でどうにかする」ことだけです。

不安を感じないようにするために

・お子さんと物理的に距離をとる

・勉強しないお子さんを見ても不安にならないマインドを身につけるため、学ぶ

・ご自身が楽しめる趣味などを見つける

・不安になったらやること(気分転換になること)を決めておく

など、色々工夫ができます。

不安になってしまっているのは自分自身の問題なんだ!
自分がどうにか解消していかないといけないことなんだ!

ということを知り、実践していくことが大事です。

対処法②|勉強せざるを得ない環境をつくる

ふたつめの対処法は、お子さんに勉強を自分ごとにしてもらうために…という視点で考えます。

今きっと、お子さんは「勉強」が自分ごとになっていないのでは、と思います。

勉強を自分ごとにするために必要なことは何か?

それは、「勉強で困る経験をする」「勉強が得たい未来につながっていると強く認識する」この2つです。

私はこの2つを、親の関わりで解決することは難しいと考えています。

多くの子どもにとって、家庭はリラックスする場所であり、何か新しい刺激を得るための場所ではありません。

家庭での生活の中で、「わー、すごく困るぞー」「おおー!こんな面白いことがあるのかー!」と、新しい気付きを得ることは難しいです。

また、中学生・高校生になると親離れが始まり、親からの言葉は段々と届きにくくなります。

そんな中で、

親とのコミュニケーションで『勉強しないと困るんだ』『勉強ってやればこんないいことがあるんだ』と
実感してもらうことは難しいですよね。

では、どうするか。

信頼できる第三者に任せるのをおすすめします。

信頼できる第三者に任せる

信頼できる第三者に、勉強せざるを得ない環境を作ってもらうことが一番おすすめです。

世の中にはたくさんの良い塾、良い先生がいます。

小テストで合格点を取れなかったら居残り、
学校のワークを3周周回を義務に、
授業日以外の自習日が決まっている

など、家とは別に『頑張らざるを得ない環境』を提供してくれます。

自分でやる気を作り出せない子にとって、『頑張らざるを得ない環境』は『頑張りやすい環境』でもあります。

やる気が全くない状態では、どれだけ良い塾に通っても変化はないかもしれませんが、
宿題をしていかなかったら注意される
合格点を取れなかったら帰れない
ワークは絶対に3周しないといけない
こういった環境があることで、

『勉強をしないと自分が困る』となり、

これが『子どもにとって勉強が自分ごとになる』につながります。

※何度も言いますが、全くやる気のない状態ではこのような環境もプラスに働かない場合もあります。また、本来目指したい自走とは遠のく場合もあります。

そして、子どもが勉強していない姿を「見てしまう」から、「自分と違う」ことが気になり「自分と重ねて」不安になってしまうのが人間です。

であれば、塾を頼り、塾で勉強、家では休息と棲み分けを行うことで
勉強しているところを「見ないようにする」は有効な対処法です。

対処法③|子どもを無気力にしない関わりを身につける

対処法の3つめは

子どもを無気力にしない関わりを身につける です。

自ら考えて動けない『無気力な子ども』は誰が作るのか?

『自ら動く意欲がない』というのは言い換えると『無気力である』ということです。

自ら考えて動けない無気力な子ども。これは自走式学習で目指す『自走の姿』とは対極の姿になりますが、

その状態はいったい誰が作っているのでしょうか?

この、問題の発生源を取り除かなくては本質的な解決にはなりませんね。

子どもが自ら考えて動けない、無気力になってしまう原因は

周りの大人の関わり方にあります。

心配を伝え続けると子どもはどうなる?

子どもを無気力に育てる関わり方の1つ目。

子どもに『心配』を伝えつづけていないでしょうか?

●●やったの?

〇〇してないけど大丈夫?

自分のことなんだからちゃんと考えないと

こんな風に、お子さんに心配の気持ちを伝えるメッセージを送っていませんか?

お子さんのことが心配な気持ちはお母さんの愛情の裏返し。

でも、心配を伝えられると子どもたちは…

自分はいつまでも心配される存在なんだ

自分にはできるって、信じてもらえていないんだ

自分にはひとりで挑戦する力がない

と思うようになります。

自分にはできない。自分には能力がない

こんな風に思っている子は

やる気をもって意欲的に、自分で目標を作って勉強することができる…気がしませんよね。

過干渉な関わりを続けると子どもはどうなる?

子どもを無気力に育てる関わり方の2つ目。

過干渉な関わりを続けていませんか?

将来は●●の職につくと、安泰だよ!

●●大学くらいには行ってほしいなぁ

部活は●●がいいんじゃない?

こんな声かけをしていないでしょうか。

こんな声かけをされると、子どもは自分の人生を自分で選んでいくことができませんね。

何かやりたいことがあっても、やらせてもらえない。

行きたい学校があっても、どうせお母さんの言われたとおりにしないといけない。

こんな状態では、やる気をもって意欲的に、自分で目標を作って勉強することができ…ませんよね。

更に、

この参考書を使って勉強しなさい!

テスト勉強の計画は作ってるの?この通りにやりなさい

●時間勉強するって言ってたけどやってないじゃないの!

ちゃんと勉強しないとあとで困るのはあなただよ?

こんな風にお子さんに伝えていないでしょうか。

子どもが意欲的に勉強するためには、自分で試行錯誤しながら勉強する経験が必要です。

自分で思うようにやってみて、結果を受け取り、また工夫をしていく。

成功や失敗を繰り返しながら、徐々に自分をブラッシュアップしていくことが必要です。

ですが、

こうしなさい、ああしなさい、と親から口出し手出しをされていると
自分で決めながら勉強する、という『楽しさ』を味わうことができません。

言われたことをそのままこなすロボットのような自分を想像してみてください。

自分で決めて、失敗成功を繰り返し、それをもとに改善していくという楽しみを知らない子は
勉強に意欲を持てなくて当然です。

心配ではなく信頼を伝える。過干渉ではなく子どもを尊重する

こういった

心配や過干渉な関わり方が、子どもを無気力にしてしまう。とまずは認識しましょう。

認識し、「変えていきたい」という気持ちがあれば、絶対に改善していけます。

『お子さんを意欲的にする』この部分はお母さんにはどうしようもできませんが、

『お子さんを無気力に育てる関わりをしない』この部分はお母さんに解決できるところです。

自分ではどうにもできないお子さんの問題を解決しようと不安になるのではなく、

自分で解決できる部分にエネルギーを向ける方が良いと思いませんか?

子どもを無気力にしないために、親ができる関わりは

心配ではなく信頼

過干渉ではなく尊重

です。

承認などもありますが、今日はこの2つにフォーカスします。

心配ではなく、信頼を。

こうなったらどうしよう、こうなってしまったらかわいそう。
本当にできるんだろうか、ちゃんとやるんだろうか。

こういった『心配』の気持ちを、

きっとできる。
この子には自分で考える力がある。
失敗してもそれをプラスに変えていける。

と、『信頼』の気持ちに転換していきましょう。

信頼の気持ちがあれば、

大丈夫?という声かけは きっとできるって信じてるよ!

になり

〜〜やったの?とうい声かけはそもそもしなくてもよくなります。

過干渉ではなく、尊重を。

親が子どもにあれこれ口出し手出しを行い、手伝ってあげるのではなく、

子どももひとりの人間。子どもなりに頑張っている。子どもなりに考えていることがある。
子どもの人生は子どものもの。

と、尊重の気持ちをもって関わりましょう。

子どもの人生は子どものもの。と考えることで、

お子さんの進路に口出しをすることはなくなります。

お子さんに「自分で決めたらいいよ」と言ってあげられるようになります。

自分で決めることができるようになったお子さんは、

『自分には自分のことを決める力がある』と思えるようになります。

『自分のことを自分で決めていいんだ』という気持ちを持てます。

自分のことを自分で決められる。これが、『こうしたい!こうしよう!』の意欲につながります。

課題の分離と親の関わり方の見直しを行いましょう

というわけで、質問者さんにできることは

課題の分離(他者と自分の課題を分けて考え、自分の解決できる問題にのみ集中する)

ご自身の関わり方(マインド含め)の見直し

かなと思います。

課題の分離も関わり方も、根っこの部分はマインドです。

親として、どうありたいのか。

何を大切にし、何を変えていこうと思っているのか。何をやらないと決めるのか。

まずはそこを決めることが大事です。

いつでも、個別相談に来てください!

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この記事を書いた人

自分と向き合い、承認しコントロールする!学習EQを高める #自走式学習 でやらされ勉強から自主的な学びへ。 自走の力は生きる力。生徒の成長に合わせて手を放していく指導を。 【子どもから手を放し、自走へ導く】保護者の方向け講座は子どものコース以上の参加者で大好評★
好きなものはお寿司とビール

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