スマホ・ゲームをやめない子どもにイライラしてしまうお母さんへ。
こんにちは。
テラコヤイッキューの渡邉です。
今日は、子どもとスマホ・ゲームのルールの話を。
ルールを通して自由と責任を学ぶ
過去の投稿でもお話しした通り、
子どもの『自走』において、ルール作りと運用はとても重要なものです。
子どもはルールを守る・守らない、という自己決定の経験を通して、
『自由』と『責任』について学び、精神的に成長することができます。
ルール作りは
子どもをコントロールするため、ではなく
子どもに自由と責任を学んでもらうため に作るものです。
↑読んでいない方は必ず!読んでください!
最近、お子さんのゲームについてのご相談をDMでいただいたので
改めてルールについて考えてみました。
「子どもがゲームやスマホばかりやっていてイライラする」
「ルールを決めて子どもに任せようと思ったはずなのに、子どもにうるさく言ってしまう」
こんな悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
スマホ・ゲームは子ども自身でコントロールしにくい(依存度が高い)ものだからルールを決める必要がある
そもそもの話をします。
自走式学習において、子どもに自分で考え、選ぶ経験を重ね、学んでもらうため
親は手を放し、口出しをせず、見守ることが重要。といつもお伝えしています。
が、親の自走度CHECKでもお伝えしている通り、
スマホやゲームについては最低限、家庭のルールを作るべき。というのが私の意見です。
・このゲームはこの先どうなるんだろう?
・もう少しで次のレベルにあがれるかも!
・友だちから連絡が来ているかも…
・投稿に「いいね!」がついているかも…
こんな「次どうなるのか知りたい!」というときに出てくる【ドーパミン】が放出されるように、ゲームやアプリは設計されています。
10代の頃はこのドーパミンの分泌が盛んになることも
子どもがスマホやゲームに依存しやすい原因になっています。
脳の「衝動に対してブレーキを踏む部分(前頭葉)」の成長が未発達な子どもは特に
自分でブレーキをかけることが困難です。
そう。
ゲームやスマホは、子どもが自分の意思でコントロールしにくいもの。
生活や、学業に支障をきたしてしまうおそれがあるもの。
だから、ルール(仕組み)を作り、ルール(仕組み)の力を借りて付き合うべきものです。
親が感じている課題を、子どもが同じように感じているとは限らない
私たち大人は
スマホやゲームは依存度が高く、子どものうちは特にその傾向が顕著に現れるということを
理解・認識しています。
だからこそ、問題意識をもっているわけですが、
当の本人はまだまだ精神的にも幼いことが多く、
上記の問題点を認識できていない場合が多いです。
そのため、親から一方的に
ゲームは1時間!
スマホは21時以降禁止!
とルールを決められても、納得できずに反発してしまいます。
以前のブログにも書きましたが、
ルールは子どもが納得するものになっているかどうかは、とっても重要な要素です。
子どもの年齢によっては、子どもの意見や考えも尊重しながら
親として引けないラインは明確に示し、
お互いの妥協点を探してルールを作っていきましょう。
ここまでが『基本』かなと思っています。
ルールが明確で機能しているから自由を楽しむ余地ができ、責任を学ぶチャンスも得られる
ルールがあるからこそ、子どもはその権限の中で自分で考えて行動することができます。
『自分で考えて行動する』
この積み重ねが、自走の力につながります。
最初に『最低限のルール』と書いたのは、『子どもが自分で考えて行動できる余地』を作ってあげる必要があるからです。
例えば
帰ったらすぐに宿題!
宿題が終わったら1時間ゲームしてOK!
ご飯を食べたらすぐにお風呂に入る!
終わったら塾の課題をして、それが終わったらすぐに寝る!
こんなルールを作ったとしましょう。
ここに、子どもが自分で考える余地ってありますか?
…
ありませんよね。
指示待ち人間、決められないと動けない人間、無気力な人間に育ってしまいそうですよね。
極端な例になるかもしれませんが、
「ゲームは1日1時間、22時以降は使えない。守れない場合は次の日ゲームで遊べない」
こんなルールだとどうでしょうか?
ゲームやスマホは依存度が高く、子どもが自分でコントロールできないから制限を付ける、ということが理由ですね。
この場合、
子どもは家に帰って
すぐにゲームをするかもしれませんね。
でも、自分で考えての行動かもしれませんよね。
その先延々とやり続ける、だと問題があるかもしれませんが、
先にゲームをして、そのあと宿題をする、と行動しているのであれば、それでOK!ではないでしょうか?
ルールが明確で、ペナルティなど含め機能している状態は
子どもに『権限』が与えられている状態です。
ここからここまでは、自分で決めて動いたらいい。という自由の範囲が決められている状態です。
そういった状態だからこそ、
どのタイミングで宿題をするか、ゲームをするか…
自分で考えて、行動することができます。
子どもが自分でコントロールすることが難しいスマホやゲームについては
最低限のルールを作り、与えられた権限の中で考えて行動してもらう。
そこから先、勉強をする・しないは、ゲームのルールとは別の次元の問題です。
子どもと自分の間に境界線を引く
ゲームは1時間、のルールのもとで
子どもが宿題よりも先にゲームをしていたとき。
親からすると
「先に宿題を終わらせたほうが、楽なのになぁ」
こんな風に思ってしまいますよね。
ですが、それは【自分】と【子ども】の境界線があいまいになってしまっている状態です。
自分だったら、先に宿題を終わらせる。
でも、子どもは宿題を後回しにしている。
子どもが自分で考えて行動していることなのに、
自分の価値観から外れているからイライラ、モヤモヤしてしまう。
こんな状態になってしまったことがある方はいないでしょうか?
子どもや他人に口出しをしてしまったり、先回りの声かけをしてしまう、
いわゆる「過干渉」な状態を作っている原因のひとつが
この状態です。
自分と、相手の間の境界線があいまい。
職場や友人関係では、
きちんと線を引いて、相手の問題と割り切ることができるのに
親子・夫婦など、近い関係になったとたんに
この境界線があいまいになってしまう人は多くいます。
ゲームやスマホなど、子どもが自分でコントロールできない問題について最低限のルールを決めたら、
そこから先どうするかは子どもの問題です。
先にゲームをしようが、宿題をしようが、自分(親)には関係ありません。
仮に先にゲームをしている子どもの姿を見てイライラしてしまうのであれば、
それは『自分自身の問題』です。
相手と、自分の間に、境界線を引けていない、ということ。
相手の問題と自分の問題をごちゃごちゃにして、勝手にイライラしている状態。
自分の問題を「相手のせい」にすり替えてしまっている状態なんです。
自分の問題は、自分で解決しなくてはいけません。
自分に必要なマインドって何だろう?
どう考えたら、イライラしなくなるだろう?
自分にできる行動って何だろう?
『境界線を引く』は、簡単ではないことです。
が、
皆さんは、どうしていきたいですか?
今のまま、イライラして生きていく?
子どもも自分も、家族みんなが笑顔でいられるように努力する?
選ぶのは、自分です。
子育てや、人生に正解はなく
自分が選んだ道を、自分の力で正解だと思えるように、納得できるものにしていくほかありません。
もし、ご自身やお子さんとの関係に課題があると感じていて
それが「ご自身の課題」なのであれば
それは自分の力で変えていくことができます。
子どものことは変えられないけど、自分の考え、捉え方、心のあり方は自分の力でどうにでもできる。
学び、訓練することで。
自分の問題なのか?相手の問題なのか?
自分と相手の間に線が引けているのか?
ぜひ振り返ってみていただき、今日からのお子さんの『見方』を見直してみていただきたいです。
と、いうわけで、今日は
スマホやゲームのルールについて
のお話から
ルールを作ったあとのイライラについて
お話させていただきました。
子どもと決めるルールについては
子どもに勉強させるためのルールになっていないか?
ルールとペナルティは目的に合っているかを確認しよう
など、まだまだ取り上げたいテーマはたくさんあるので
また別の機会でお話しできたらと思います。