子どもではなく、自分に矢印を向ける。向き合うのではなく、同じ方向を向く。
こんにちは。
テラコヤイッキューのわたなべです。
新年度準備に追われています。
2月3月ってこんなに忙しかったでしたっけ?
さて。
今日のテーマは、
保護者向けサービスのゴールについて。
テラコヤイッキューでは、保護者コース「オヤココース」の他、
塾生の保護者の方が誰でも入れるコミュニティ「オトナ女子ラボ」
保護者の方向けの情報発信(ラジオやブログ、生徒の成長を伝える番組45°など)など、
保護者向けのサービスを多数展開しています。
子どもを思い通りに動かしたい親
保護者向けの取り組みをスタートして1年半ほどです。
うちの生徒たちは、指導がうまくハマれば時間はかかっても、自分のちからでどんどん自走していきます。
卒業生が出るようになって2年、
今年も全員の生徒が無事、志望校に合格、夢を実現していきました。
そして、卒塾後も自分のちからでどんどん夢に向かって進んでいる生徒も多くいます。
でもその反面、残念ながら途中でやめていってしまう生徒もたくさんいました。
自走しようとしている子どもに対し、お母さんが手を放すことができず、自走の妨げになってしまっているご家庭にも多く出会いました。
取り組みをスタートしたきっかけは
あるお母さんの存在。
子どもに自走してほしい!と入会していいただいたそのお母さんは
「自走してほしい」という思いは強い反面、
同時にお子さんを思うように動かしたい欲求も強めな方でした。
中3になるまで、丸付けや直し、勉強の指示、お母さんが行っていたり
最低でもこのレベルの大学・高校に行かせたい!という願望が強かったり
なぜこの子は勉強しないのか、こんなに私が頑張っているのに…
こんなお母さん。
当時は今のように入会時の線引はしておらず
生徒がどんな状態でも、ご家庭がどんな方針でも
生徒の受け入れをしていました。
入会していただいたので、
他の生徒と同じように
その子自身を尊重しながら、
最大限承認し、信頼関係を作り、指導してきました。
成績も5教科200点ほどだった子が400点近く取れるように。
生徒も私のことをすごく慕ってくれていて
これから受験に向けてがんばるぞ〜ってなってた矢先…
いきなり退会していったんです…(T_T)
受験の2ヶ月前とかだったと思います。
理由は
全然勉強しないから腹が立って、この子から先生を取り上げようと思った
でした。
辛かった〜
ほんとに辛くて、車から小一時間出られませんでした笑
この子は退会してしまったんですが、
オンラインなので近くで偶然出会うとかもなく
今どこで何をしているのか全然わかりません。
忘れられない生徒です。
このとき、
もっともっとテラコヤイッキューの指導をブラッシュアップして
価値を返せるようにしていかなくては!
という決意とともに
子どもが頑張っていても、
親がそれを認められない(目に入らない状態)だと意味がない。
ということに気が付きました。
あのとき、お母さんに「子どもの変化や成長を認めてあげてくださいね」って伝えられていたら
頑張ってたあの子も更に頑張れてたかもしれないな〜とか。
言い方は悪いかもしれないけど、
せっかく変わろうとしていたのに、かわいそうだな〜とか。
いろんなことを考えた。
子どもにとって一番大きな環境は「親」
人は環境に作られる生き物。
朱に交われば赤くなる。
そして、子どもにとって一番大きな影響を与える環境は「親」。
どれだけ、うちの指導で子どもたちを信じて関わっても、承認して関わっても
おうちでお母さんお父さんが子どもを否定したり
疑ったり
過干渉に関わったりすることで
子どもの自走にブレーキがかかる。
子どもたちが自走式学習の指導方針と家庭環境の板挟みになってしまうケースですね。
これを、なんとかしたかった。
本来なら、子どもたちに対する「自走式学習」の指導って、必要ないものなのかもしれません。
お母さんお父さん、子どもにとって一番身近な大人が
「子どもの自走」を応援できるようになれば
子どもたちは自走していくから。
自走するための準備ができるから。
それに、
お母さんお父さんが「信頼・承認・尊重」の関わりをしていくことで
家庭内に笑顔が増えると思うんです。
「お母さんお父さんは、自分のことを認めてくれてる」
こんな風にお子さんが感じられている状態と
「お母さんお父さんはいつも自分のことを疑ってかかる」
こんな状態と
前者の方が、子どもも大人も、幸せに生活できますよね。
おとなも子どもも、幸せに生きられる家庭環境。
そんな環境で、子どもたちは自走に向けて成長していくのだと思います。
保護者向けサービスのゴール
先週、今年1年オヤココースに取り組んでいただいたお母さんと
最後の面談がありました。
そこでのお母さんの振り返りをご紹介します。
なにかあったら、言葉そのものじゃない
行動そのものじゃない
奥にあるものをちゃんと見て、落ち着いて話をして解決しよう。
自分の思いを伝え合って尊重しよう。
同じ方向を向こう。
必要とされたときに力を貸し、
選択したことにできるだけ寄り添えるように、
自分に矢印を向けていよう。
子どものためと思いながら、大切な今が楽しくなくなっては意味がない。
一緒にいられるのはほんの一時。
この子は大丈夫。私たちは大丈夫。
宿題として出していた振り返りフォームに書いてくださっていたのですが、
これを読んで感動してしまって。
今年、オヤココースを始めたときに自分の中で決めたゴールが
【「対子どもの視点」から、「対自分の視点」に視点を転換できている状態】
【コーチングスキルの前に、自分が変わることが大事、と思えている状態】
【傾聴・承認・尊重を意識しながら行動できる状態】
この3つでした。
誰にも伝えていなかったのですが、
ちゃんと、このゴールにたどり着いてるなぁって思ったんですよね。
「対子ども」の視点ばかりだと
子どもの言動に振り回され、「子どもをどうにかしたい」とイヤでも思ってしまう。
でも、常に「自分に矢印を向けて」自分主体でお母さんがいれたら
お子さんに対して無駄にイライラすることもなくなり
お互いに笑顔でいられる時間が増える。
「向き合う」ではなく「同じ方向を向く」ことで、
子ども、子ども、とならなくてすむ。
これはお母さんも子どもも、お互いがいつも笑顔で、幸せでいる。
そのために必要な要素だと思っています。
すごい。ここまでたどり着いている!
子どものためと思いながら、大切な今が楽しくなくなっては意味がない。
そして
子どものためと思いながら、大切な今が楽しくなくなっては意味がない。
一緒にいられるのはほんの一時。
この一文。
これは、子どものいない私には絶対に思いつかない感情だと思いました。
でも、「まさに」と納得。
子どものため、子どものため、と思っているその行動は
大切な今を子どもと大切に過ごすために必要な行動なのか?
お母さんたちが苦しんでいる理由に、
この「矛盾」があると思います。
将来の子どものため。と思いながら
今の自分たちを犠牲にしていないか?
子どもの将来は、「今」と陸続きなのに。
未来の子どもとの関係性は、「今」の積み重ねで出来上がるのに。
ここが言語化できていなくて
自分に落とし込めておらず
苦しんでいるお母さんがたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
自分の子どもという宝物
勉強できてもできなくても
朝起きても起きなくても
学校に行っても行かなくても
宝物ということに違いはない。
大事なお子さんと、一緒にいられる「今」の時間を大切に。
お互いを尊重し、信頼し、承認し
放任でも過干渉でもない、適度な距離感で
お互いに気持ちよく、笑顔で幸せに過ごせる時間。
そんな時間を大切にしてもらいたいと、強く思いました。
みなさん、どうですか?
お子さんのため、と言いながら、今のお子さんとの関係や時間を、犠牲にしていないでしょうか?
この発信をきっかけに
変わりたい、変わろう、と思うお母さんがひとりでも増えるとうれしいです。